プラズマ処理とは?プラズマを用いた微細加工を行う「プラズマ」とは、固体・液体・気体とは異なる物質の第4の状態と呼ばれるもので、原子から電子が電離している「イオン」と原子の中の電子のエネルギーが高い状態にある「ラジカル」が含まれます。プラズマは、非常に活性かつ不安定であり、反応を起こしやすい状態になっています。プラズマ処理は、このようなプラズマ中の活性種を利用して削る、材料表面改質する、クリーニングする、成膜するなどを行う手法です。幅広い業界で活用されているプラズマ処理は、電子部品・半導体・機械部品・医療機器・自動車部品・包装資材など、幅広い産業分野で活用されています。具体的には、異種材料の接合・表面の親水化や撥水化・ナノ構造形成など、プラズマ処理には様々な用途があります。活性種の化学反応性と高エネルギー粒子の運動エネルギーによって、物質の表面に”従来の手法では実現できなかった新たな機能”を付与することができます。プラズマ処理の種類プラズマ処理の種類は、大きく2つに分類することができます。減圧プラズマ処理減圧プラズマ処理は、真空チャンバー内で低圧(通常数Pa~数百Pa)の条件でプラズマを発生させる方式です。非常に微細で均一な処理ができる反面、一般的に装置が高価で大型になる傾向があります。大気圧プラズマ処理大気圧プラズマ処理は、大気圧下でプラズマを発生させるため、連続処理や大型製品の広範囲な処理が可能になります。装置が小型で設備コストも抑えられるメリットがありますが、プラズマを均一に行うことが課題になりがちです。プラズマ処理でできることプラズマ処理には色々な場面で利用できますが、代表的なものを二つご紹介します。表面改質表面改質は、高分子材料の表面を親水化/撥水化したり、金属表面にナノ構造を形成してセラミックス化するなど、材料表面に機能性を付与する技術です。親水化すると、材料が水に対して親和性を持つようになります。水をはじくことなく吸収することができるため、肌に触れる衣料品や医療機器などの製品に適しています。一方で、撥水化は物質表面に対して水や汚れが付着しにくくなる効果を付与。耐久性が向上し、清潔さが保たれる効果があります。建築材料や自動車の塗料など、耐久性が求められる製品に適した処理です。表面洗浄プラズマ処理には、化学的な反応や物理的な力により金属やガラス表面の不純物や汚れを除去する作用もあります。半導体や医療機器の製造時に目に見えないレベルの不純物や残渣をクリーニングする目的で利用されます。 ここまでのまとめプラズマとは、固体・液体・気体に次ぐ第4の物質状態で、イオンとラジカルからなる非常に活性なガスのことであるプラズマ処理は、プラズマ中の活性種を利用して材料表面の化学組成や物理的性質を改質する手法であるプラズマ処理技術は、半導体・電子部品、機械部品、医療機器、自動車部品、包装資材など、様々な産業分野で活用されており、材料に対して従来の手法では実現できない加工ができる描画材料の会社がどうしてエレクトロニクス分野に?ここまで読んで、「プラズマ処理のことは分かったけど、なぜサクラクレパスが?」と疑問を抱いた方も多いでしょう。一般的に、”サクラクレパス”と聞いてイメージするのは子どもの頃に使った「クーピー」や「クレパス」などの描画材料のはず。そのヒントは、サクラクレパスが持つ"色をつくる技術"にあります。エレクトロニクス分野ではプラズマ処理が欠かせない一方で、処理状況を評価する専用の計測器が高価で一般的ではありませんでした。そして、処理状況が管理できないことによるデメリットも多数存在していました。サクラクレパスは実は”色をつくる技術“を活かして、滅菌装置の状態を管理するインジケータを長年提供している実績があります。 このノウハウをプラズマ分野に水平展開したのが、プラズマ処理の効果を可視化・評価できるツール「PLAZMARK」です。以下では、PLAZMARKがどのようにプラズマ処理の課題を克服するのか順番に解説します。プラズマ処理の課題と解決法処理結果が見えづらく、不良発生のリスクがあるプラズマによる処理は肉眼で結果が確認しにくいため、処理ムラが生じる可能性があります。処理ムラが生じると、製品の品質や性能にばらつきが生じ、不良品が発生するリスクが高まることも。【電子部品メーカー / 中国工場 生産部長Aさん】お悩み装置の設定ミスや処理の忘れなどの人為的ミスにより、月に1度程度の頻度で不良品が発生していた業務手順の指導は行われていたものの、作業員の意欲や意識のバラツキがあり、完全に不良を防げていなかった処理が適切に行われたかどうかを作業後に検証する簡便な方法がなかった解決策『表面処理の有無と設定条件を色の変化で判別できるPLAZMARK®を導入した』具体的には、部品ラックの各段にPLAZMARK®カードを1枚ずつ設置した処理後、各段のカードの変色具合を限度見本と照らし合わせることで、全数チェックが可能になった公式HPで「不良品の発生」の事例を詳しく見る3次元形状の場合、均一に処理するのが難しい平面の場合と異なり、3次元的に複雑な形状の製品ではプラズマの均一な照射が難しく、表面処理にムラが出やすくなります。【樹脂成型品メーカー / 生産技術部Bさん】お悩み樹脂成型部品が3次元形状であるため、プラズマ処理による表面改質にムラが出るリスクがあった各部がムラなく改質できているかどうかを確認する方法がなく、頭を悩ませていた解決策『大気圧用のPLAZMARK®ロングラベルを評価用に使ってみた』ロングラベルの変色ムラと実際の表面分析結果に相関があることがわかった最適処理条件での変色具合を確認し、その色を基準値とした1日2回(始業前と昼休み後)にロングラベルを装置に貼り、パフォーマンスをチェックする変色の程度は色差計で数値管理し、業務日報にエビデンスとして記録する公式HPで「3次元形状の確認ムラ」の事例を詳しく見るプラズマの作用範囲によっては、装置の不具合につながりやすいプラズマ発生用の電極や真空ポンプなどの部品が消耗し、不具合を起こすことがあります。【装置メーカー / 顧客サービス部係長Cさん】お悩み真空プラズマ装置の排気パイプのシーリング部品の劣化が早すぎる想定より短命で部品交換のコストが高くついていた原因が分からず、不具合の原因究明を求められていた解決策『チャンバー内のプラズマの状況を確認するため、PLAZMARK®ラベルを色々な場所に貼り付けて実験した』ラベルの変色から、排気ダクトの中までプラズマが届いていることが分かったプラズマが適切な範囲にとどまるよう、装置の調整を行った部品の早期劣化が起きないような対策を講じた公式HPで「装置の不具合」の事例を詳しく見る品質のばらつき処理条件を完全に一定に保つのが難しく、ロットごとに品質のばらつきが生じる可能性があります。【電子部品メーカー / 生産技術部 課長 Dさん】お悩み同じ工程を複数の自動化ラインで大量に稼働しているが、ラインごとの品質にバラツキがある多数のプラズマ装置に機差が生じていることが原因の一つ同じ設定で同じ処理を行っているはずなのに、結果が異なる作業者に毎日の始業時点検を依頼したが、手間がかかるため協力が得られない解決策『PLAZMARK®などの簡易チェックツールを導入し、簡単に装置性能を確認できるようにする』色変化やその程度を数値化し、装置間での差異を視覚的に捉えられるようにする始業前の点検は最小限の作業で済むようにする点検結果を記録・管理し、装置調整の指標とする定期的に装置の調整を行い、機差の発生を抑制する公式HPで「品質のばらつき」の事例を詳しく見る検査装置のコストが高い材料表面の化学的・物理的性質を正確に検査するための分析装置が高価なため、検査を行うニーズがあるものの、導入ハードルが高くなってしまうこともあります。【半導体メーカー / パッケージング部門生産部主任Eさん】お悩みワイヤーボンディング前のプラズマクリーニングの効果確認が必要従来のAuエッチングレートによる管理では、装置が高価で面倒、頻繁な実施が困難試験片のAuが高価で、購入の手続きも煩雑解決策『高感度タイプPLAZMARK® No.21を導入した』No.21は良好な変色を示し、従来のAuエッチングレートのデータと相関関係があったNo.21の変色はAuエッチングに比べ格段に短時間で起こるすぐに色差計で数値確認できるので、トータルの工数が大幅に圧縮できた検量線を作成し、従来の管理の代替として活用することにした公式HPで「検査装置のコスト」の事例を詳しく見る初期費用の負担が大きいプラズマ処理設備を導入するとなると、真空チャンバーや電源、ガス供給設備などの装置が必要になるため、初期コストが高額になります。【MEMS部品メーカー / 工程管理課 課長 Fさん】お悩みMEMS部品の多品種少量生産で歩留りが上がらず苦慮していたウエハのプラズマ工程における均一性の問題が原因と推測されるが検査設備の導入費用が高額で、償却コストがコストダウン効果を相殺してしまう解決策『商社から紹介されたPLAZMARK®ウエハ型を試した』極端な均一性のバラつきは目視で簡単に把握できた微妙なバラつきは色差計を使えば精度の高い管理が可能だとわかった当初はサクラクレパスの無料色差測定サービスを利用使用頻度が高くなったため、自社で色差計を導入した公式HPで「初期費用の負担が大きい」の事例を詳しく見る無料サンプルのお申し込みはお気軽に製品についての詳細やサンプルのお申し込みは公式ホームページから受け付けています。そのほか、資料請求や現場の状況に合わせた使用例のご相談など、お気軽にご相談ください。