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2024.06.06 更新
電解研磨機を探すなら!価格や選び方、おすすめメーカーをチェック

電解研磨機を探すなら!価格や選び方、おすすめメーカーをチェック

表面加工に用いられる電解研磨機ですが、手での研磨にはないメリットがある一方で注意したいポイントもいくつかあります。電解研磨機を自社で購入する場合は、懸念点も含めて製品を検討する必要があるでしょう。

そこで本記事では、電解研磨機のメリットやデメリット、おすすめのメーカー、選び方などを紹介しています。購入時の参考になるかもしれませんので、ぜひご一読ください。

この記事でわかること

  • 電解研磨機を使用するメリットやデメリット
  • 電解研磨機の選び方
  • 電解研磨機のおすすめメーカー

電解研磨機とは

電解研磨機とは、金属に電解液をつけて電流を通すことで表面を平滑に仕上げる装置です。電解研磨によって微細な凹凸が均一に溶解されるため、表面が滑らかになります。

研磨には砥石やバフ(綿やフェルトなどでできた研磨用の道具)を用いた物理的な方法もありますが、電解研磨機は対象物を電解液に浸して研磨するため、作業の自動化・効率化が可能です。また、物理的な研磨は作業者の技術によって仕上がりに差が生じますが、電解研磨は作業者による影響が出にくいという特徴もあります。

電解研磨ができる対象は?

電解研磨は多くの金属に対して効果的な表面処理方法ですが、プラスチックやガラスなど非導電性の素材には向いていません。電流が流れることが前提となるため、アルミニウムやステンレス、銅などが対象となります。

各素材は耐久性や耐腐食性、導電性などに違いがあるため、電解研磨を行う目的も異なります。たとえばアルミニウムの表面を電解研磨することで金属本来の光沢を引き出したり、ステンレスに電解研磨を行って細菌を付着しづらくしたりとさまざまです。電解研磨を検討する際には、素材の特性を十分に理解し、適切な表面処理方法を選択することが重要だと言えます。

電解研磨機の価格

電解研磨機の価格は、機能やサイズ、メーカーによって大きく異なります。小型で簡単な操作が可能なモデルは数万円程度から販売されていますが、大型で高度な機能を持つモデルは価格帯が幅広いです。以下に、実際の価格の例を紹介します。

製品例 価格(税込) 特徴

EPH-500

109,780円 小型の電解研磨機。貴金属製品の表面処理に。

スーパーシャイナーR2i

374,880円 焼け取り・研磨・不動態化が可能。電解液容器など付属品も充実。

EP-3

861,840円 電流制御やタイマー機能により研磨量の安定化を実現。

上記は販売されている製品の価格ですが、外注で電解研磨機の仕様や設計から依頼する場合は価格がさらに上がります。実際に購入を検討する際には使用目的や予算に応じて最適なモデルを選ぶことが重要ですが、用途や頻度によっては電解研磨を外注する方法もおすすめ。外注であれば機材にかかる投資が不要となるため、各方法のメリット・デメリットを考えて検討するとよいでしょう。

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三和産業株式会社の電解研磨の画像
三和産業株式会社

電解研磨

三和産業の電解研磨技術は、微小な凸凹の平滑化と比較的大きな凸凹の除去を同時に行うことができるのが特徴。手研磨に比べ、高品質で均一な仕上がりが得られます。パフ研磨との一貫施行ができ、国内現地出張工事が可能です。詳細は資料をダウンロードのうえ、お気軽にお問い合わせください。

電解研磨機を使用するメリット

電解研磨機には、手作業では得られないさまざまなメリットがあります。こちらでは、電解研磨機を使用するメリットとして、以下の3つを紹介します。

仕上がりや性能の向上

電解研磨機は、対象物を電解液に浸し、電流を流すことで表面の微細な凹凸を溶解します。その結果、非常に滑らかで光沢のある表面になるため、製品の見た目が向上し、商品としての価値も高まります。

また、表面の凹凸がなくなることで腐食の進行を抑え、製品の耐久性がアップする点も電解研磨機のメリットです。滑らかな表面は汚れや細菌が付着しにくくなるため、医療機器や食品加工機器にも適しています。

高い再現性を維持

電解研磨機は電流や電圧、電解液の濃度などを正確に管理できるため、高品質の製品を同様の精度で仕上げられます。製品間のばらつきが少なくなり、一貫した品質が保証されるため、航空機など高いクオリティが求められる製品にも利用可能です。厳しい品質規格が設定された業界にも適合でき、企業としての信頼性も高まります。

作業効率の向上

電解研磨機を使用することで工程の自動化を実現できるため、手での作業に比べて大幅に作業時間を短縮可能です。作業スピードが上がることで、大量の部品を短時間で均一に研磨できたり、研磨作業にかかる人手を最適化できたりとメリットも多く、初期投資の早期回収も目指せます。

また、手作業よりも作業者の技術による影響が少ないため、教育にかかる期間も短く済みます。スピーディーに対応を行うことで、製品の品質改善も効率的に進められるでしょう。

電解研磨機を使用するデメリットや注意点

電解研磨機には、上記で挙げたメリットがある一方で、いくつかのデメリットや使用時に注意したい点があります。導入後に活用できない事態を防ぐためにも、デメリットや注意点も必ず確認しておきましょう。

効果の低い箇所が生じる可能性がある

電解研磨は、対象物の形状や大きさによって電気があたりにくい箇所が生じます。そのため、箇所によって仕上がりに差が出てしまう可能性があります。

また、外観に白く濁ったような部分ができたり時間が経って電解研磨液が垂れてきたりと、思ったような結果にならない場合があるため、電解研磨に適した素材か、事前に別処理(バフ研磨など)を行ったほうがよいかを確認しておくことがおすすめです。

初期投資や運用コストがかかり、メンテナンスも必須

電解研磨機は設備が高額な傾向にあり、特に高性能なモデルは初期投資が大きいです。効果的に使用するためには換気や電源などの設備も適切に設置する必要があり、電解研磨機以外のコストも発生します。

さらに、電解液やフィルターなどの消耗品は定期的に交換するため、その分のコストも算出しましょう。メンテナンスを怠ると故障の原因となり、生産性の低下や納期遅延のリスクもあるため、導入後のアフターフォローやサポート体制もチェックしておくことが大切です。

安全性や環境への配慮が必要

電解研磨機で用いられる電解液は強酸や強アルカリなどの成分が含まれているものもあり、取り扱いには十分な注意が必要です。

また、使用後の電解液は、還元剤や沈殿剤、凝集剤を順番に混ぜ合わせて産業廃棄物として捨てるといったように適切に処理しなければ環境汚染の原因となります。なかには安全や環境に配慮した中性の電解液もあるので、研磨の対象によっては選択するのもよいでしょう。

電解研磨機の選び方

電解研磨機の選び方_話し合っている男女の写真

電解研磨をするためには、電解研磨機を購入する方法電解研磨を取り扱っている業者に依頼する方法があります。長期的かつ頻繁に電解研磨を行う見込みであれば、購入のほうがコストを抑えやすいです。初期投資は大きいですが、使用頻度が高ければ投資回収までの期間も短くなります。

また、自社内で作業する体制を整えることでスケジュールの調整がしやすかったり品質管理を細かく行えたりとメリットも多いです。導入初期は業者より専門知識が不足していることも考えられますが、運用を重ねることでノウハウを蓄積できるため、最適化は図りやすいでしょう。

こちらではどのように電解研磨機を選べばよいのかを紹介していきます。

1. ニーズを明確にする

まず、電解研磨機を導入する目的と使用する場面を明確にすることが重要です。どのような製品の研磨に使用するのか、具体的にはステンレス、アルミニウム、銅などの金属を研磨するのかを考えます。

また、どの程度の頻度で使用するのか、たとえば毎日使用するのか週に数回使用するのかを決定します。求める表面の仕上がり精度についても考慮し、鏡面仕上げを求めるのか、粗仕上げで十分なのかを明確にしましょう。

2. 予算を設定する

次に、予算を設定します。これは初期投資だけでなく、ランニングコストも考慮に入れる必要があります。

購入価格は、たとえば1,000,000円から2,000,000円の範囲で設定し、電気代や消耗品のコスト、メンテナンス費用も含めた総コストを計算します。

3. 機能・サイズを確認する

次に、必要な機能が備わっているかを確認します。たとえば、自動洗浄やプログラム制御といった自動化機能があるか、温度・電圧・電流のデジタル制御が可能か、過熱防止や感電防止機能といった安全機能が搭載されているかをチェックします。

また、設置スペースに適したサイズの機械を選ぶことも重要です。設置場所の広さを測定し、それに合ったサイズの機械を選定します。合わせて機械の搬入経路も確認し、大きすぎて搬入できないという事態を避けるために事前に計画を立てましょう。

4. メーカーとモデル、サポート体制を比較する

複数のメーカーとモデルを比較し、最適な電解研磨機を選びます。上記で設定した要件に基づいて比較し、自社のニーズにもっとも適した製品を選択します。

また、購入後のサポート体制が整っているかをチェックしましょう。保証期間の長さやメンテナンス・修理の迅速さ、操作方法やメンテナンスに関するトレーニングが提供されるかを確認し、安心して使用できるかどうか納得できたら導入製品を決定します。

電解研磨機のおすすめメーカー3選

最後に、電解研磨機を取り扱っているメーカーのなかから、おすすめの企業を3つ紹介します。なかには電解研磨機をイチから製造している企業もあるので、自社のニーズを満たす企業があるかご確認ください。

株式会社中央製作所

株式会社中央製作所は、1936年に設立した愛知県名古屋市の電気機器メーカーです。顧客のニーズに合わせて開発・設計を進めることで、高い信頼性を獲得しています。

同社は、電解加工機として「電解バリ取機 バリクリーン ECBシリーズ」「電解研磨機 ECPシリーズ」の2種類を展開。高度な技術力と豊富な経験に基づいた製品開発に強みをもち、電源部や制御部、電解部、電極・治具など、すべてを自社で製作しています。

また、加工品質の安定化を目的として、電解液のPH調整ができる装置やスラッジ(加工時に生じる沈殿物)を除去する脱水装置などを搭載。メンテナンスの容易さにも留意されており、品質の安定化を長期的に図れます。

本社所在地 〒467-8563愛知県名古屋市瑞穂区内浜町24番1号
設立 1936年4月27日
資本金 5億300万円
事業所 支店:東京、大阪営業所:仙台、福岡工場:名古屋

参考:株式会社中央製作所

マイト工業株式会社

マイト工業株式会社は、1982年に創立した大阪府大阪市の溶接機メーカーです。大阪以外にも北海道や関東・中部・九州など各エリアに営業所を構えており、全国規模でサービスを展開しています。

同社の電解研磨機は以下の3タイプ。

  • MS-150:薄板板金作業に適したスタンダードタイプ。
  • MS-2100:従来の製品より性能を向上。100V・200Vのどちらでも使用可能。
  • MS-4200:2人同時の使用が可能。処理能力が高く、チタンにも対応。

こちらは刷毛やクロスがセット内容に含まれており、部分的な作業が可能です。サイズの大きい「MS-4200」であれば大型のワークも研磨処理ができるため、用途に応じて選択するとよいでしょう。

本社所在地 〒547-0001大阪府大阪市平野区加美北4-5-6
創立 1982年10月21日
資本金 1,500万円
営業所 札幌・東北・関東北・関東・中部・関西・中国・九州

参考:マイト工業株式会社

株式会社NSC

株式会社NSCは、大阪府豊中市に本社を構える1964年創業の会社です。ガラス・ケミカルの加工や環境事業などを展開しており、装置事業のひとつとして電解研磨機の設計・製作・設置工事サービスを行っています。

同社は、大量生産ができる大型の装置から実験用の小型装置まで、多様な電解研磨機の製作に対応。過去には、依頼者のニーズに合わせて注射針のバリ取り用装置を自動化した実績もあります。

また、電解研磨機の仕様が明確でない場合でも相談可能な点も特徴。長年の経験に基づいて実験機や試作機、量産機を製作するため、まずお問い合わせしてみるのもおすすめです。

本社所在地 〒561-0845大阪府豊中市利倉1-1-1
創業 1964年2月1日
設立 1971年3月11日
資本金 4,550万円
事業拠点 石川県・千葉県・兵庫県・台湾

参考:株式会社NSC

電解研磨機で製品の品質向上を実現!

電解研磨機は、金属表面を高精度に仕上げるために必要なツールです。適切な機種を選ぶことで作業効率の向上や製品の品質向上が期待できるため、自社に合った製品を選択するようにしましょう。

また、さらに詳細な情報を知りたい場合や具体的な製品を購入したい場合は、各メーカーの公式サイトや問い合わせ先をチェックすることをおすすめします。ものづくり比較サイト「fabiz」でも電解研磨を取り扱っている企業を紹介しているので、ぜひ合わせてご確認ください。

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三和産業株式会社の電解研磨の画像
三和産業株式会社

電解研磨

三和産業の電解研磨技術は、微小な凸凹の平滑化と比較的大きな凸凹の除去を同時に行うことができるのが特徴。手研磨に比べ、高品質で均一な仕上がりが得られます。パフ研磨との一貫施行ができ、国内現地出張工事が可能です。詳細は資料をダウンロードのうえ、お気軽にお問い合わせください。