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2024.04.08 更新
コンバーターとは|種類や特徴、インバーターとの違い、選び方など

コンバーターとは|種類や特徴、インバーターとの違い、選び方など

製造業の効率化と品質向上に欠かせないのが、適切なコンバーターの選択です。コンバーターには豊富な種類があるため、用途を確実に把握したうえで購入を検討する必要があります。

本ページでは、コンバーターの種類や特徴に加え、適切なコンバーターの選び方やインバーターとの違いなどを解説します。また、おすすめのメーカーも紹介しているので、新しいコンバーターをお探しの方はぜひご覧ください。

コンバーターとは(AC-DC/DC-DC/イーサネット)

コンバーター(converter)とは、電気エネルギーを異なる形態に変換する装置です。たとえば家庭やオフィスにあるコンセントから流れるAC(Alternating Current:交流)電流をパソコンなどのDC(Direct Curret:直流)電流で使用できるように変換します。ほかにも、電圧を12Vから24Vに調整したりネットワーク間の接続に使用したりと、多様な目的に対応しています。

製造業におけるコンバーターの重要性

製造業において、コンバーターは機器に正確かつ必要な電力を供給することで生産ラインの効率化に重要な役割を果たしています。また、精密な電力供給によってエネルギーコストの削減と機器の寿命延長が実現可能です。さらに、安定的に電力供給ができる状況を維持することで作業環境の安全性を向上させ、電気的な事故や故障のリスクを低減します。

コンバーターは、電気エネルギーをただ変換するだけでなく、変換することによって作業環境に多大な影響を与える装置です。適切な選択と使用は製造プロセスの最適化と持続可能性の向上に直接寄与するため、最良の判断ができるように知識を深めていきましょう。

コンバーターの種類と特徴

コンバーターにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる機能と用途を持っています。主要なコンバーターの種類と特徴、メリットを理解し、自社に適した製品は何かご確認ください。

コンバーターの種類 特徴 活用事例
AC-DCコンバーター 交流(AC)を直流(DC)に変換 パソコン充電器、家庭用電子機器
DC-ACコンバーター 直流(DC)を交流(AC)に変換 キャンピングカー、非常用電源、太陽光発電
DC-DCコンバーター 12Vから5Vなど、1つの直流電圧を別の直流電圧に変換 車載電子機器、ポータブルデバイス
周波数コンバーター 電源の周波数を変換 国際的な旅行、多国籍企業の設備
ADコンバーター アナログ信号をデジタル信号に変換 温度や圧力センサーのデータ読取り
DAコンバーター デジタル信号をアナログ信号に変換 音響機器、放送機器
FVコンバーター 周波数を電圧に変換 モーター速度の制御など周波数に基づいた制御システムや測定機器
イーサネットコンバーター 光ファイバーと銅線ネットワーク間の接続など、ネットワーク間でデータ信号を変換 企業のネットワークインフラ、データセンター
産業用メディアコンバーター 通信ネットワークにおいて異なる種類のメディア間で信号を変換 工場や大規模施設のネットワーク拡張

上記のとおり、コンバーターには多様な種類があります。また、イーサネットコンバーターと産業用メディアコンバーターは、どちらも通信ネットワーク間の信号変換に利用されますが、産業用メディアコンバーターのほうが湿度や温度への対応など耐環境性に優れた性能を有しています。産業用途では信頼性と耐久性が重要になるため、自社の環境を加味した選択が必要です。

コンバーターとインバーターの違い

コンバーターと似た言葉に「インバーター(inverter)」がありますが、インバーターはDC-ACコンバーターと同じく直流を交流に変換する仕組みです。コンバーターは変換器を意味する言葉ですが、インバーターはDC電源をAC電源にする装置のみを示し、「DC-ACインバーター」の表現が使われることもあります。

ただし、インバーターが「インバーター装置」を示す場合は、電力を制御する技術としての意味合いが強いです。インバーター装置は「コンバーター回路」「コンデンサ」「インバーター回路」から構成されており、電力の流れを精密に制御できます。周波数と電力の大きさを調整することで、たとえばエアコン・冷蔵庫の温度維持や蛍光灯のちらつき軽減などに使用されています。

コンバーターの選び方

適切なコンバーターを選ぶことは生産性の向上やコストの削減、安全性の確保につながります。コンバーターを導入する際は、以下のポイントを意識して選んでいきましょう。

選定基準 説明
用途の特定 必要な電力変換タイプ(AC-DC、DC-AC、DC-DCなど)と機器の電力要件(電圧、電流、周波数)を明確にする
性能と効率 コンバーターの効率(電力損失がないか)と必要な出力電力、変換率を確認する
互換性と接続性 既存のシステムや機器との互換性、必要な入出力インターフェースやコネクタの有無を確認する
サイズと設置要件 利用可能なスペースに合うサイズを選び、設置やメンテナンスの容易さを考慮する
耐久性と信頼性 長期間使用に耐えられるか、信頼できるメーカーかを確認する
安全性と規格 安全規格への準拠と安全機能(過電圧、過電流、短絡保護など)の有無を確認する
コストと予算 初期コストと運用コスト(エネルギー消費、メンテナンス)を考慮し、予算内で最適な製品を選ぶ

つまり、コンバーターを選ぶ際には「使用環境の分析」「品質と信頼性の確保」「将来の拡張性」が重要です。コンバーターは製造業務の効率と安全性を大きく左右するため、適切な選択を行うことで生産性の向上とコスト削減を実現しましょう。

コンバーターのおすすめメーカー(AC-DC/DC-DC/イーサーネットなど)

最後に、コンバーターの製造を行っているおすすめのメーカーを3つご紹介します。

アジア電子工業株式会社

スイッチング電源などの電源を開発する長野県の企業です。
1974年の創業以来長い実績があり、DC-DCコンバーターやAC-DCコンバーター、DC-ACインバーターなどを数多く製造。通信システムや防災システム、電力関係など産業分野において幅広く導入されています。

製品例

  • DC-DCコンバータ 縦型オンボードタイプ
  • AC-DCスイッチング電源 ユニットタイプ

TDKラムダ株式会社

産業機器向けの電源を取り扱う東京都の企業。
日本だけでなく中国やヨーロッパなどに研究開発拠点があり、開発製造から販売保守まで幅広くサポートしています。

製品例

  • AC-DCコンバータ「ZWS-Cseries」
  • 超小型DC-DCコンバータ「CCGシリーズ」

大電株式会社

ケーブルや電力用機器、ネットワーク機器などを製造販売している福岡県の企業。
メディアコンバータにおいて国内シェアNo.1の実績があり、工場内のネットワーク安定化を実現できます。

製品例

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大電株式会社の100BASE-TX/FX 産業⽤メディアコンバータの画像
大電株式会社

100BASE-TX/FX 産業⽤メディアコンバータ

100M専用タイプの高い耐環境性を備えた産業用メディアコンバータです。100BASE-TX ⇔ 100BASE-FX の相互変換を行い、光による長距離伝送を実現します。リピータとして動作しますので、低遅延でのデータ伝送が可能であり、タグ付きパケットやジャンボフレームも透過します。

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大電株式会社の接点・アナログ信号/イーサネットコンバータの画像
大電株式会社

接点・アナログ信号/イーサネットコンバータ

接点・アナログ信号をイーサネットフレームに変換して伝送するコンバータです。接点(入力×8ch/出力×4ch)、アナログ(入力×4ch)のインターフェイスを備えます。センサへの電源供給機能やイベントログ記録機能を搭載し、ブラウザを通じた直感的な操作でシステムの監視・制御が可能。遠隔地からの管理を容易にし、コスト効率の高いシステム構築を実現します。

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